”その年で林業なんかやめたがいいよ”と中川村の今井さんに言われた。
林業の実際ってどんなものかYoutubeでしらべてみました。
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目安は ”仕事が早い”
つまり体の動きがきびきびしてて、むだがない。
一仕事ぜんぶをみせてくれるオープンマインド。
よーするに ”能書きはいらない” のです。
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当然ながら、そういうのは ”滅多にない”
自分の気に入ったのをあげておきます。
口下手な職人がいやいや能書き口上をしゃべってます。
このレベルになるとメーカーや販売店が協賛申し込んできます。
仕事速い、ゴプロ2台使ってる。
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アメリカ ゴプロ数台使ってup.
Tシャツも売ってる、歌詞もかく。
たまたま見たんだけどwe the peoole, 庶民ってのはこんなもんです。
ふだん口数少ないのに一人になるとずーとしゃべってる。
黙っているけど腹の中で何を考えてるかわからない!
世の中驚きの連続です。
余裕のある時はシロート向けに一本一本やる仕事を解説しながら倒してくれる。
見ててあきません。
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ある程度、伐倒の経験や庶民の英会話がわかる人はいいのだけど
そうでなければ何度も何度も繰り返し見たり聞いたりしてれば
だいたいわかってくるでしょう。
”笑いながら働け”
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ワイヤーでなくソフトなロープ、胴綱だけでなく高いところから命綱をとる。
足のフック、胴綱、懸垂ロープ。
常に三点支持で安全確保、恐怖感解消してくれる。
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以前から感じてたんだけど、”これってみんな帆船時代の続きだね”
日本の伝統的な木こりと違う。
ランヤードってラ二ヤードのことだったり、SRT?帆柱のてっぺんから滑車をとってすべてがはじまる。
昇降機や懸垂下降の道具みんなカムクリートがメインの器具。
瞬時にstop&free.ができる。
地上の巻き上げもウインドラス グラインダーやラチェット付きの揚錨機。
ワイヤーロープや焼玉エンジンの発動機を使わない。
ソフトなロープ(ヨットではハリヤードとかシート、ステー)ですべてまかなう。
ロープへの信頼が半端じゃない!!
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見習い水夫が素足と手だけでマストトップまでペタペタ登っていく。
海上何十メートル、前後左右に10m以上にゆれてるだろう。
腰の胴綱一本で作業。手と胴体の摩擦だけで下降。
欧米白人には大航海時代から4~500年の歴史があって
それが林業や登山に応用されてるって感じ。
いま日本にそれが入ってきて小規模な林業にもてはやされてる。
講習会はどこも順番待ち。林業やるより儲かりそう!
船の艤装品は昔から高いけど国産がなければ欧米製は3倍、5倍があたりまえ。
嘆いてみてもショーがない。
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ではどうやってマストトップまで行くか?
枝を払いながら登っていけばいい。
簡単だけど危険、おそろしい。
で、おもりをつけた細紐を投げて木のてっぺんちかいところに絡ませて、下りてきた細紐に太いロープをつなぎ仕事の始まり。
この重りを投げ上げる講習があって1日¥35,000!?ってのがあった。
ソフトボールの投手に1日ではなれないだろけど講習会は花盛り。
船の講習受けたからといって一人で水平線むかって1時間走れるか?
陸の見えないとこまで走れるか?
林業の高所作業もそれに似てる。
猿みたいに高いとこ登って移り渡るのが好きな人には向いている。
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登るのが嫌なら30mいじょう打ち上げられるバズーカー砲みたいの売ってるみたいね。
値が張るだろうけど、、、
国有林の規制がんじがらめの伐採は楔使用禁止。
まるで無駄とは言わないけど
講習で ”受け口や追い口にくさび” なんてのならっても役に立たない。
学校で習ったこと世間に出て役に立たないのと同じ。
年季、経験をつむしかない。
鉛筆をナイフで削れるひとなら”木造のヨット自分で作れます”
これはその当時、世界のヨット設計家の3本の指に入るといわれた横山晃さんの名言です。
嘘ではない、ただ年季と経験がいるだけ。
熊谷守一が売れるようになるのに35年以上模索したのに似てるl
“海で生き残るための条件”は 横山晃さんはソロセーリング5000時間といわれました。
溶接工でいっぱし(プロの端くれ)になるのにアークタイム5000時間(自分で勝手に決めた)は8時間労働で7~8年かかりました。
へたな人は3年やっても30年やっても同じです。
それでも妻子があればそれでやっていくしかありません。
そういう人たちと自分たちは一緒に働いてる。
なかのいい同い年の腕のいい職人がぶーたれると小僧身分の自分が
そういってやりました。
まー、好きじゃなければ続かないでしょうね。
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林業に話し戻すと
牽引伐倒が基本で集材搬出は日本では他人の土地とのからみが問題。
お国柄、広い土地があって平らなアメリカならば
大型クレーンやその場でチップにできる
シュレッダーみたいなチッパーやトレーラーももちこめます。
境界不明の急斜面の日本ではおよそ考えられないですね。
モンタナ州みたいな田舎でも住宅が密集してたり障害物をさけて伐採する
ニッチな特殊伐採の商売があるようです。
1989、youtubeのup主August Hunickeはアラスカでカニかご漁船に乗り組んでいた。
彼は船の無線でほかの船がSOSを出してるのを聞いたけど誰も、どこも助けに行けなかった。
その年は寒くて冬の遭難が続出した。
荒天で海水が船体着氷、トップヘビーで転覆、沈没。
30秒以上生きていられないアラスカ沖。youtubeにいっぱいある。
以来、陸に上がってこの商売を始めた。妻がいて子供がいるただフツーの庶民。
聖書も開いてあったね。
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10mm以下のワイヤーがどれほど荷重に耐えられるのか実感がない。
10mm以上のロープ、ワイヤーならある程度信頼感ある。
ブロック(滑車)やテークル(重滑車)が高くて買えないならUのシャックル多用。
何もなければ結びや結束を多用。
効率悪いけど非力な自分でもできそうな気がするのだけど、、、???
昇柱器、あれ一度試してみたい!
胴綱、懸垂メインロープすべて金具なしの結びだけで使えないことはない。
ただ面倒で時間かかる。
フルハーネスはあったがいい、ロープでハーネス組めるけど ”痛い!”
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こちらは元消防士さん。
自衛隊以上に緊急救命にかんして庶民に身近な公務員。
一秒一刻をあらそうから早いよ!
しょっちゅう使わないと身体が覚えられません。
消防士の仕事ってこんなこともあったのかと教えられました。
そしてこの方は優しさにあふれてます。
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南伊豆で台風で倒れた椎の木30mぐらい。
急斜面に15度~20度
横にねた木のうえをあるいていく。
枝が長々と20mぐらい下の町の給水所にかかっていた。
水道課職員がちょいちょい来て ”この下のコンクリートの箱のなかには
計器、メーター類がびっしり詰まってるから絶対落とさないでくれよ” と
何度も注文つけられた。
ただシイタケの原木つくるため(ブットイ!)切る!
枝だけでも20cmx10m以上ある。
枝の元まで15~20度の傾斜を歩く。つかまるものないから両脇に2本ロープを張る。
ぶよーんぶよーんしてるから単なる気休めにしかならない。
0,5tのチェーンブロック2個使って枝の太いの2本ぐらい引っ張ってる。
小綱1mぐらいの2本、幹から回してたけど結果から言うと ”長すぎた”
小枝を切ったのの重なり溜まっててそれ踏み抜いたとき、くるって一回転した。
ようするに転落したのだけど左腕で腐りかけた太い枝を巻くことができて宙づりにならずに済んだ。
小綱が1m近くあると這い上がれない。自分の場合は翌日、水道課の職員がくるまで
バックブリーカーの宙づりだったろう。ヨットの場合1mの小綱に吊るされて落水したら、
貿易風帯なら2~3週間走りっぱなしになる。いい干物ができる。
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今の林業の知識があったならどっか高いところからつるした命綱をとったろう。
造船の高所作業はどんなに高くても(7~80mでも)すぐそばに小綱をかける鉄製の工作物があった。
林内作業はない!
2台の0.5tチェーンブロック横に引っ張って吊ってうごかしたけど
1台はポンコツで飛んでしまった。
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2.5tのヨットを反転させるために村の造船所の親父さんが超重たい3トンのチェーンブロックを貸してくれた。
1トンのと併用したけど、片方は体重駆けてひっぱり3トンは指で挟んで引っ張れるぐらいの差があった。
林業ではどうなのか?
高いところに支点がとれて何本もマストのステー見たいので矯正してやりながら牽引、
チェーンソーで裏側の繊維を少しずつ切ってやれば 素直な木なら何とかなりそうなきがします。
安全確実だけど仕事の速さを無視した話ですが。
問題は偏芯した大径木。10mmのワイヤーウインチでも吹っ飛びそうな失敗が待ち構えてるでしょう。
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以上はすべて ”一人でやったなら”の仮定です。
steel ヨット作るのも一人だったから、よその浜の造船の親方84才(有名人)に図面もって相談に行ったとき ” 一人で作ってんのか?奥さんはいないのか?裏でシャコマンもってくれるだけでも助かるのに ” と同情されてしまいました。
確かに相棒がいたらたすかるだろーねー、でも いないんだからショーがない。
黙って働くしかない。笑いながら働けたら最高でしょう!
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林業に対する大体のイメージもつかめたので
引っ越し荷物、分類整理するのあきらめて何でもかんでもまとめて荷造りします。
”向こうに行ったら時間もあるだろうから後回し”、このフレーズが恐ろしい。
では、、、